fc2ブログ

ドイツ経済、政治、軍事、宗教からスキャンダルまで。ドイツのすべてを紹介。

ブロとも申請フォーム

訪問者数

QRコード

QR

広告

0 コメント

対イスラム国 EU連合軍

整備中の戦闘機整備中

対イスラム国 EU連合軍



フランスでのテロの後、フランスはEUに軍事支援を要請した。

EUの議定書にはEU加盟国が攻撃された場合、その他の加盟国はすべての支援を行う義務を負うと明記されている。

こうしてEU加盟国では国会が召集されてフランスへの支援が検討された。

一番乗り気だったのは英国で、ISへの空爆を国会で議決、数時間後にはキプロス島の空軍基地から最初の爆撃機が離陸した。

ドイツは今回も「側面援護」に留まることにした。具体的にはアフリカのマリにドイツ軍を派遣、現地で平和監視を行っているフランス軍の負担を軽減する。

さらに空爆に使用されるフランスの空母を攻撃から守るため、護衛艦を派遣する。同時に戦闘機を派遣して、シリア、イラク領空で偵察活動をするなどが主要な支援内容だ。

もっと積極的な支援を要求する政治家もいたが、大きな支持は得られなかった。

日本の政治家が自衛隊を軍隊と呼ぶと叩かれるのと同じように、ドイツでも政治家が戦争という言葉を使用するとこてんぱんに叩かれる。

積極支援は戦争行為とみなされるため、ドイツでは国民の賛同を得られない。もっとも国民が賛同しても、「触れる袖がない。」という問題もあった。

ドイツ空軍戦闘機 93機中、実働可は29機



ドイツがシリアに派遣する予定の戦闘機、"Tornado"はドイツ空軍に93機配備されているが、使用可能な状態にあるのは29機という情けない台所事情がある。

シリアに6機派遣してしまうと、本国防衛には23機しか残らない。それも故障しなければの話しだ。

ちっぽけなスイス空軍の方がまだまともな空軍を擁している。

しかし冷静になって考えてみれば、何故、わざわざパイロットの生命の危険を冒してシリア、イラク上空で戦闘機を飛ばすのか?

無人偵察機を飛ばせば、危険はないし、長時間に渡って広大な地域を偵察できる。

その理由は簡単。ドイツ軍には未だに使用できる無人偵察機がない。

もう数年も前から無人偵察機を調達する話が持ち上がっているが、直接の戦争の危険がないので先送りになり、未だに一機も導入されていない。

こうした背景の中、12月始めに「フランス支援策」が国会で議決されると、早速、最初の戦闘機はトルコの空軍基地に向けて出発した

戦略に欠けるドイツ軍派遣



不安なのは今回のドイツ軍の派遣に関して、具体的な戦略が立案されていないこと。

シリアでは数多くの反乱軍、IS、そしてシリア軍が互いに交戦をしている。ロシアとイランは政府軍を支援、米国が支援する反乱軍を爆撃している。

ドイツはクルド人を支援しているが、トルコはこのクルド人陣地を爆撃している。そしてトルコは同じスンニ派のIS、それにトルコの少数民族を支援している。

まるで戦国時代の様相で、複数の敵が混在しており、一致した戦略がない。

政治家はフランスを助けるという高貴な目的に興奮して、通常は控えめなSPDまでもまるで大政翼賛会のように、「回れ右」をした。

左翼政党(いつでも軍隊の派遣には反対する。)のもっともな反論、

「軍隊を送る前にイスラム国の資金源(トルコ、サウジ)、補給路(トルコ)を断つべきで、軍隊の派遣はそれからだ。」

を、

「同盟国を見捨てる行為」

と非難して、このテーマを議論することを拒否した。

実際、ドイツの慎ましい軍事貢献よりも、左翼政党の主張する敵の補給を断つのほうが効果があっただろう。

しかしトルコは数百万人の難民を抱えており、トルコの機嫌を損ねるとこの難民が一気に欧州に向かって流れ出す可能性もあり、そんな危険はおかせない。

サウジはドイツの武器の大事な輸出先で、お得意さまの機嫌を損なう行為はしたくいない。

こうして安直に軍事支援が決定され、さらには戦略目標も何も決めず、

「派遣してから様子を見る。」

という見切り発信になった。

故シュミット首相はいつも、

「軍隊を送るのは簡単だが、軍隊を引き揚げるのは難しい。」

と、軍を引き上げるシナリオのない軍の派遣を常に警告していた。

今回、ドイツ政府が決定したのは、まさのこの引き上げのシナリオのない軍の派遣である。
                

編集後記



対イスラム国 EU連合軍にドイツが参加して、4年経った。

しかし未だにドイツ軍はイラク、そしてシリアで、対イスラム国 EU連合軍の作戦に参加している。

参照 : handelsblatt

国際責任を果たしていると言えば、その通りだが、一体、いつになったら撤退できるのだろう。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント