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ドイツ経済、政治、軍事、宗教からスキャンダルまで。ドイツのすべてを紹介。

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Ach, Du Scheiße!

Ach, Du Scheiße!
やっぱり国産?それとも安い輸入物?

オランダ伝説



日本で語られているドイツの姿のほとんどは、「ドイツ伝説」に属するものです。

現実(事実)とは関係ありません。これはドイツだけに限ったものではなく、

「オランダ伝説」

というものもありあます。食事に招かれたら、食後のデザートに麻薬が出たとか、まことしなやかに語られている。

個人的によく聞いたのは、

「オランダには人よりも牛のほうが多い。」

というオランダ伝説だ。

オランダ伝説の真相は?



調べてみるとオランダの人口は1700万人。

牛の数は150万頭で毎年、増加中だ。ざっと見積もって10人に1頭の割合だ。伝説だけあって、事実とは大きくかけ離れてはいるが、牛がとても多い事は事実だ。

ところが牛はミルク、これから製造するバターやチーズを提供してくれるだけではなく、糞も出す。それも150万頭の牛が。

オランダの隠れた輸出品



この糞だが、なんとオランダの隠れた輸出品で、最大のお客様はドイツだ。

ドイツは毎年140万トンもの糞をオランダから輸入している。

参照 : Deutschland Funk

「糞くらい自前で調達できないの?」

と思われたに違いない。ドイツにも十分な家畜が居て、十分過ぎる糞を「生産」している。では何故、わざわざオランダから糞を輸入するのか。

言うまでもない、"Made in Germany"は高く、オランダ産は安いからだ。

糞を無償で自宅までお届け!



オランダは小さい国土に多すぎる家畜が居るため、糞尿の処理に困っている。

畑にまいても、まいても、文字通り掃いて捨てるほどある。アジアなら河川に垂れ流しだが、そこは環境保護の厳しい欧州、高い金を払って糞尿を回収してもらい、環境を汚染しないように処理される。

ここに目をつけた賢い業者が、糞を販売する会社を作った。

酪農家で糞尿がタンクが一杯になるとこの業者がトラックで回収、ドイツの農家まで無償でお届けするのだ。

糞尿業者は回収に際して酪農家から料金を取るが、回収費用はオランダで糞尿処理をするよりも安い。当然、酪農家は高い金を払って処理施設に送らずに、この業者に依頼する。

そしてドイツの農家は、お金を払って国産の糞を注文しなくても、このオランダ業者に頼めば無償で農家まで届けてくれる。まさに痒いところに糞が届くサービスだ。

地下水汚染



ところがドイツの農家が畑に安い糞を大量に撒いたために、地下水が糞で、正確にはニトラート /"Nitrat"(硝酸塩)で汚染されてしまった。

参照 : spiegel

EUの規定では、1リットル当たり50ミリリットルを超える硝酸塩を含む飲料水は、健康に著しい害を及ぼすとされている。とりわけ妊娠中の母子への影響が危惧されている。

そこで欧州議会は6~7年前にドイツ国内の地下水に含まれる硝酸塩の濃度を下げる措置を取るように要求した。

しかしドイツ政府はこれを無視した。正確には要請は認識したものの、何も対策を取らなかった。結果、酪農家と農家の多い州では、飲み水の汚染区域と汚染度が広がる一方だ。

デユッセルドルフが州都のNRW州では40%の地域が、Schleswig-Holstein州では50%が、そしてNiedersachsen州ではなんと60%にまで汚染地域が広がった。

ナイジェリアやブラジルで、地下資源採掘のために地下水が汚染されても、賄賂をもらっている政治家が何もしないのは理解できるが、ドイツ政府が何もしないのは何故だろう。

ドイツでは教育は州政府の管轄にある。すなわち州により教育基準が異なるので、州を超えて引越しすると、生徒が授業についていけないなどの問題が発生している。

そこで中央政府が全国一致の教育基準を導入しようとすると、

「管轄外のことに口を出すな。」

と拒否反応に合う。憲法でそのように規定しているので、州政府が、

「じゃ、変更しましょう。」

と相槌を打ってくれない限り、何もできないのだ。

地下水の汚染に関しても、新たな規制の導入には州政府の同意が必要だ。州政府は中央政府に規制の導入で譲歩するのと引き換えに、中央政府からの補助金を要求する。

これを払いたくない中央政府は、金のかかる法改正、あるいは規制を後回しにする。これが理由で欧州委員会から改善を要求されているのに、6~7年も何も手を打たなかった。

財政、税制改革を欧州委員会がギリシャ政府に対して何年も要求しているのに、一向に改革が進まないのと同じだ。

ドイツ、水質汚染で遂に訴えられる



ところがギリシャと違ってドイツはお金持ち。

罰金を課しても、これが十分に払える。そこでEU委員会はドイツは地下水汚染の改善を惰っているとして欧州裁判所に訴えた。

参照 : zeit

欧州内最大の農業国、フランスも同様の罪状で欧州裁判所に訴えられて、裁判で負けた。その罰金がなんと30億ユーロ。

参照 : paris 360

フランス人の誇りであるおフランス産の航空母艦、"Charles de Gaulle"の建造費用が30~35億ユーロと言われているので、ほぼ空母が一隻買えるほどの高額な罰金だった。

ドイツに対しても同額、あるいはそれ以上の罰金が課せられる可能が高く、中央政府はまた頭痛の種を抱え込むことになった。

そんな罰金を払うなら、州政府に補助金という名目で金を与えていれば、州政府は二つ返事で改革に了解していただろう。その金を惜しんだばかりに30億ユーロの罰金+州政府へのお布施を払うことになりそうだ。

もっとも汚染された水を飲んでいるこれからの州の住民は、この処置を歓迎している。

州政府、あるいは中央政府はEU委員会がドイツを訴えて、罰金で脅さない限り、何もしないからだ。しかしこれで水質が改善される見通しがついた。

これが欧州連合の利点のひとつだ。日本では「放射能汚染による危険はない。」と政府が言えば、もう何もすることはできない。

しかし欧州連合では、加盟国政府の権限が及ばないEU委員会とEU裁判所があり、不正があるとここで裁かれる。
欧州連合には欠点も多いのが、利点もちゃんとある。

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